駅伝にかける青春を描いた人気マンガを映画化した「奈緒子」(古厩智之監督)が16日公開され、東京・池袋のシネ・リーブル池袋で主演の三浦春馬さん(17)、上野樹里さん(21)らが舞台あいさつをした。これまで主演した「のだめカンタービレ」や、「スウィング・ガールズ」とは違い、寡黙な役だったという上野さんは「全部脱ぎすてるつもりでカメラの前に立ちました」と大胆発言。会場を大いに沸かせた。
「奈緒子」は94年~01年、「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載された坂田信弘さん作、中原裕さん画のマンガが原作。長崎県の離島で、海に転落した少女・奈緒子を救うために命を落とした漁師、壱岐健介の息子・雄介は、父の夢を継いで「日本海の疾風(かぜ)」と呼ばれる高校陸上界期待の星に成長する。しかし、雄介は出場した駅伝大会の給水所で奈緒子が手渡そうとした水を拒否し、脱水症状で倒れる。二人の事情を知る波切島高陸上部の西浦監督は、奈緒子を陸上部のマネジャーに迎え入れる……という青春ストーリーだ。
上野さん、三浦さんという注目の若手コンビに加え、西浦監督役で落語家の笑福亭鶴瓶さんが出演。長澤まさみさん主演の青春映画「ロボコン」などを手がけた古厩さんが監督を務め、人気バンド「ポルノグラフィティ」が初の映画主題歌「あなたがここにいたら」を提供していることでも話題を集めている。
この日は上野さんや三浦さんをひと目見ようと約200人のファンが早朝から並び、上野さんは「満席でうれしいです」とあいさつ。三浦さんも「上映後のあいさつで緊張しますが、来てくれてありがとうございます」と話した。上野さんは「素直に、正直に演じた作品です。良かったと思った人は、家族やお友達に『いい映画だったよ』と忘れずに伝えてください」とアピールした。映画は同日から同館など全国で公開されている。【渡辺圭】