酒蔵の貯蔵だるに25年間眠っていた麦焼酎を通信販売のジモス(福岡市)が1日から売り出す。焼酎は日本酒と同じように原料が収穫された年に仕込み、新酒として出荷されるが「これだけ長く寝かされた焼酎は数少ない」という。5000本(1本=720ミリリットル)限定で、価格は送料別で2万1000円。
同社の子会社ジモス酒蔵の神屋直邦社長が大分県の蔵元を訪ねた際、秘蔵されていた焼酎だるを見つけ、蔵元に販売を持ちかけて商品化した。
銘柄名は、中国の故事で男女の情のこまやかな様を意味する「巫山(ふざん)の夢」。
麦焼酎や米焼酎は3年半から4年間寝かせると強いにおいが消えるという。大手酒類卸の担当者は「10年ものしか飲んだことがないが、ロックだとブランデーやウイスキーに近いまろやかな感じがした」と表現する。
焼酎に古酒が少ないのは、小規模な蔵元が多いため、長い間、寝かせておく資金的な余裕がないからだ。20年以上寝かした九州の焼酎では、田苑酒造(鹿児島県)が今春の九州新幹線の開業に合わせ、コーンを原料にした25年ものの焼酎を販売した程度だという。
注文はジモス酒蔵のホームページで受け付け、焼酎瓶を木箱に入れて郵送する。問い合わせはコールセンター(0120・222・644)。 (12/01 16:33)
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