近代五輪発祥の地に108年ぶりに戻って開催された第28回オリンピック競技会アテネ大会は29日午後9時15分(日本時間30日午前3時15分)、アテネの五輪スタジアムで閉会式が行われ、17日間の熱戦に幕が下ろされた。
式典に先立つアトラクションでは、開会式と同じパパイオアヌ氏の演出で、会場中央に「海」の代わりに大きな「麦畑」が作られた。にぎやかにギリシャの伝統的な歌や踊りが披露され、お祝い気分で満たされた。
続いて、男子マラソンの表彰式が行われ、観客に妨害を受けながらも、3着でゴールインしたデリマ選手(ブラジル)に大きな拍手が送られた。 各国の選手が旗手を先頭に次々に入場した。日本五輪史上最多タイの16個の金を含む最多の37のメダルを獲得した日本選手団は、主将の柔道男子・井上康生(綜合警備保障)、開会式での旗手を務めた浜口京子(ジャパンビバレッジ)が日の丸を手にした。最終日に金メダリストになったハンマー投げの室伏広治(ミズノ)の顔も見える。
選手たちは、互いに写真を撮り合ったり、小旗を振ったり、大はしゃぎ。あちこちで笑顔がはじけた。
式では、アンゲロプロス・アテネ五輪組織委員会会長が「戦いのたびに皆さんは高まり、アテネを去ります。世界の選手の皆さん、ありがとう。また会いましょう」、ロゲ国際オリンピック委員会会長が「この大会は忘れられない夢のオリンピックとなるでしょう。ありがとうアテネ、ありがとうギリシャ」とあいさつした。
バコヤンニ・アテネ市長から次回2008年大会の開催地北京の王岐山市長へ五輪旗が手渡され、「LOVERS」の張芸謀監督が作製した北京のイメージビデオ「踊る北京」が流されるなどして次回への期待を高めた。
会場の五輪旗が静かに下ろされた後、聖地で燃え続けた聖火が、頭を垂れた聖火台からランタンに移される。次々に別のランタンに火が移るとともに聖火台の炎は消えた。
今大会は、史上最多の202の国・地域から約1万5千人が参加し、28競技・301種目でアスリートたちの限界への挑戦とさまざまなドラマが繰り広げられた。 (08/30 05:05) |