翼を持つ爬虫(はちゅう)類、翼竜の赤ちゃんが入った孵化(ふか)直前の卵の化石がアルゼンチンと中国の白亜紀前期の地層(約1億2000万~1億年前)で見つかった。翼竜の卵の殻の化石が見つかったのは初めてで、殻の構造によって爬虫類から恐竜、鳥類へと変わった流れがわかった。2日付の英科学誌ネイチャーで発表された。
翼竜は系統的にワニと恐竜の中間に位置し、約2億3000万年前に出現して約6500万年前に絶滅した。前脚の長い薬指で翼を支え、小型の種は空を飛んだとされる。
アルゼンチンの化石は米ロサンゼルス自然史博物館など、中国の化石は中国科学院などの研究チームが発見。ともに楕円(だえん)形で縦約6センチ、横約2~3.5センチだった。殻の厚さはアルゼンチンが約0.03ミリ、中国は約0.25ミリ。恐竜や鳥類の卵の殻は多層構造だが、今回の殻はいずれも単層だった。
真鍋真・国立科学博物館主任研究官は「殻はワニと同じように単層なので、鳥類のように殻が複層になるのは恐竜から、とわかった」と話している。
(12/02 16:00)