スマトラ沖大地震の地震波が地球を少なくとも5周回っているのが、日本で観測されていた。北海道大の解析で31日、わかった。国内各地に防災科学技術研究所が設置する地震計でとらえた波形を、細かく調べた結果、6,7、8周目といえそうな波形まで読み取れた。気象庁が地球を3周した地震波の観測を12月27日に発表しているが、北大大学院理学研究科の吉沢和範助手は「5周以上の記録は過去の地震でも見たことがない」としている。
北大の解析によると、26日午前9時58分ごろ(日本時間)に発生した本震の地震波は、震源から日本の方向に直接伝わったものと、反対方向の南半球を経由して達するものと2種類観測された。いずれも発生の約17時間後までに、5周したことがはっきり確認できた。
さらに、発生の約28時間後まで詳細に解析すると6周目とみられる波形があり、7、8周目らしい形も記録されていた。吉沢助手によると、1960年のチリ地震(マグニチュード9.5)でも、米国が記録した地球3周にとどまるという。 (12/31 21:04) |