仙台・大崎八幡宮で見つかった偽の旧1万円札(部分)。番号が「宮城の竹駒神社で使われたものと同じ」との証言がある | | |
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初詣で客らでにぎわう全国の神社仏閣などで旧1万円札の偽札が大量に使われている事件で、先月30日から今月3日までの間に少なくとも10都府県で約200枚の偽1万円札が使用されていたことが、毎日新聞の調べで分かった。東京都渋谷区の明治神宮と鹿児島県内2カ所で使われた偽札の記番号が一致したほか、岩手県平泉町の中尊寺と宮城県岩沼市の竹駒神社で使われた偽札の別の記番号も同一だった。同じグループが広域にわたり複数の寺社で偽札を使った疑いが強く、警察庁は、偽造通貨行使容疑で捜査している警視庁や関係府県警から情報を集め、実態調査に乗り出す。
偽札が見つかったのは、岩手、宮城、栃木、埼玉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、鹿児島の10都府県。境内にある露店などで使われており、初詣での混雑の中、暗がりで使える場所を狙った可能性が高い。ほとんどはカラーコピーを使用したとみられ、透かしや識別用の凹凸はない。
明治神宮では境内のおみくじ売り場などで13枚、周辺の露店で4枚の偽1万円札が見つかった。先月31日夜から1日にかけて使われたとみられる。同神宮によると、記番号は2種類で、そのうち「VJ838046M」は、鹿児島市の照国神社の露店で1日未明に十数枚見つかったものの一部や、鹿児島県霧島町の霧島神宮の露店3店で見つかった3枚と同一だった。
また、平泉町の中尊寺では、この日までに計11枚の偽札を発見。岩手県警によると、いずれも宮城県の竹駒神社境内の露店21軒で1日、計43枚見つかった偽札と同じ記番号だった。仙台市青葉区の大崎八幡宮では計47枚の偽札が確認されており、記番号は「QY436254F」。露店組合は「1日に竹駒神社で見つかった偽札と同じ記番号」と話しているが、警察は竹駒神社や中尊寺で見つかった偽札の記番号を明らかにしていない。
このほか、栃木県佐野市の佐野厄除大師でも偽1万円札3枚が見つかった。大阪市住吉区の住吉大社では2日夜までに同一記番号の偽札20枚が使われた。神戸市の生田神社では計19枚、京都市内では伏見稲荷大社や平安神宮、清水寺で1~2日に計16枚が見つかった。