欧州宇宙機関(ESA)は15日、小型探査機ホイヘンスが撮影した土星の衛星タイタンの新たな画像とデータを発表した。メタンのもやが漂うオレンジ色の世界で、地表は予想以上に暗く、炭化水素と氷で覆われているらしい。
着陸地点は湿った砂か粘土質の土壌と見られる。14日発表の写真を画像処理したカラー写真では、地表がオレンジがかっていた。表面で反射している光の分析から、氷と炭化水素が存在しているという。氷塊らしい物体の大きさは4~15センチと判明。塊の下部は浸食されているように見え、液体の流れの存在がうかがえる。地表からメタンが出ており、上空20キロほどの大気にもメタンが含まれていた。
降下中に高度8千メートルから撮影した複数の写真を組み合わせた、周囲360度のパノラマ画像には、海のような黒っぽい平坦(へいたん)な部分が広がる。岸辺に似た地形の近くには、白く細長い霧のようなものがたなびいていた。
ホイヘンスが録音した音も公表された。降下中には規則的な音が聞こえているが、着地後は静かだった。
(01/16 00:42) |