宮沢りえ(32)、米倉涼子(30)、天海祐希(38)の人気女優3人が、明治から昭和、平成を生き抜いた実在の女性たちを演じることになった。今秋スタートするフジテレビの「女の一代記」シリーズで宮沢が作家・瀬戸内寂聴さん(83)、米倉が女優・杉村春子さん=享年(91)=、天海が歌手・越路吹雪さん=同(56)=の壮絶な生きざまに挑戦する。
活躍の分野こそ違うものの、人生をたくましく生き抜く女性たちの姿を宮沢、米倉、天海が再現することになった。
フジが初の大型シリーズとして打ち出す「女の一代記」の第1弾で、それぞれ2時間程度の作品になる予定。今秋、3夜連続で放送される。
学生結婚、不倫、作家活動、51歳での出家と、波乱に満ちた生き方を選んだ寂聴さんを演じるのは宮沢。シリーズを企画した同局の喜多麗子プロデューサーは「宮沢さんは魂から表現する女優。寂聴さんは彼女しかいない」と期待。宮沢は出家後のてい髪した姿も披露するという。
米倉は、数々の恋で得たエネルギーのすべてを芝居に注ぎ込んだ杉村さんの「女優」と「女」の顔を表現。華やかな私生活を送りながら、女優としての存在感を増しつつある米倉に重なる部分もあり、杉村さんの骨太で粋な生き方を体当たりで演じる。
また、宝塚歌劇団の先輩でもある歌手・越路さん役の天海が、歌と踊りの演技を披露するのは95年の宝塚退団以来初めて。華麗なステージ衣装もまとう予定で、久々の本領発揮となる。
主題歌は中島みゆき(53)の「命のリレー」。3作品のプロデューサーもすべて女性が務めるなど、女のど根性が結集したシリーズとなる。
◆瀬戸内 寂聴(せとうち・じゃくちょう)1922年(大11)5月15日、徳島市生まれ。大学在学中に見合い結婚。終戦後、年下の男性と恋に落ち、離婚。小説家を目指して上京し、不倫など激しい恋を経験。73年に出家し、87年、岩手県・天台寺住職に。今年6月、住職を引退。執筆、法話など幅広く活動中。
◆杉村 春子(すぎむら・はるこ)1906年(明39)1月6日、広島市生まれ。27年、教職を辞めて上京し、劇団の研究生に。33年、医学生と結婚。47年「女の一生」で第1回芸術院賞を受賞。50年、再婚。「欲望という名の電車」など舞台のほか、映画、テレビで活躍。97年に死去。
◆越路 吹雪(こしじ・ふぶき)1924年(大13)2月18日、東京生まれ。13歳で宝塚入団。戦後の男役トップとして活躍。51年「モルガンお雪」で国産ミュージカル女優第1号に。15回出場した紅白歌合戦を70年から辞退、紅白を辞退した歌手第1号に。代表曲に「愛の讃歌」など。80年、56歳で死去。
スポーツニッポン 2005年9月7日