「いま、会いにゆきます」で知られる人気作家・市川拓司氏(43)のロングセラー小説「恋愛寫眞 もうひとつの物語」(小学館)が、「天国の森で君を思う(仮題)」のタイトルで映画化されることになった。互いに思いを伝えられずに離ればなれになった大学生の切ない恋を描くもの。8月中旬にクランクインし、主演は玉木宏(25)、宮崎あおい(19)が務めている。
興収47億円のヒットを記録し、主演の中村獅童(32)と竹内結子(25)の結婚も話題となった昨年の“いま会い”に続き、新たな市川流純愛ファンタジーが、スクリーンにお目見えする。
「恋愛寫眞…」は、03年の映画「恋愛寫眞」にインスピレーションを得た市川氏が、オリジナルで書き下ろしたストーリーで、同年6月に刊行。これまでに20万部突破のロングセラーとなっている。
互いにコンプレックスを持っている大学の同級生・誠人と静流が、不器用ながらもひかれ合う過程に、マドンナ的なクラスメートの存在を絡めていく恋愛模様。2人は別れを余儀なくされるが、誠人は再会を信じて待ち続けるという切ない物語だ。
出版当初から映画化を進めていたが、「自分の表現を控えめにしながら、心をとらえていく演技力がある」(遠藤茂行プロデューサー)という宮崎の快諾を得て一気に具体化。誠人役には「不器用で誠実な少年のあやうさがある」(同)と、玉木を抜てきした。ドラマ「アルジャーノンに花束を」などの新城毅彦氏(42)が映画で初のメガホンを取る。
宮崎は「原作を読んで静流がすごい好きになった。自分で思い描いていた通りの役柄のイメージで、すぐに入り込めた」と充実している様子。玉木も「2人の距離感、やりとりが面白い作品。本当に好きな人への気持ちを共感してもらえたらうれしい」と意欲を見せる。撮影現場を表敬した市川氏も「思い入れの深い作品なので、完成が待ち遠しい」と期待を寄せている。来年夏公開予定。