東京大の警備システムを整備中の電子機器製造会社が、学生計2133人分の個人データを入れたノートパソコンを盗まれていたことが分かった。データは学生の氏名や登録番号などで、住所や電話番号は含まれておらず、東大広報課は「流出したデータが悪用される可能性は低い」としている。届け出を受けた警視庁大崎署は窃盗事件とみて捜査している。
東大によると、被害に遭ったのは東京都品川区に本社を置く「アート」。盗まれたパソコンには大学院理学系研究科の全学生1481人と、理学部の全学生652人のデータが入っていた。先月18日にアートの社員がかばんに入れたまま会社前の路上に置き忘れ、パソコンだけがなくなっていたという。
同社は大学構内の入退館管理システムを作るためのデータ登録作業をしていた。学生から被害相談はないといい、東大は「実害があった場合に損害賠償請求を含めた対応を考えたい」と話している。【曽田拓】
毎日新聞 2005年9月12日 19時11分