仙台市の東北大病院(里見進院長)は14日、東北地方に住む50代の女性患者の手術中、点滴により静脈に空気が流入する事故が7月下旬に起きたと発表した。女性は9月13日、多臓器不全で死亡したが、同病院は「因果関係は不明」としている。
同病院によると、女性は生体肝移植の手術を受けた際「急速輸液ポンプ」を使って血しょうの点滴を受けた。医師は液体入りのボトルが空になったのに気付かずに手術を続行。この間、最大150CCの空気が静脈に流入したとみられる。
ポンプには空気が入ると自動停止する装置が付いていたが、大量の輸血・輸液の際には、微量の空気が液体に混ざることがあるため、医師の判断でオフにしていた。手術後の検査では、流入が原因とみられる「空気そく栓」や脳障害は見つからず、手術自体は成功したという。
同病院は遺族に謝罪するとともに、厚生労働省や宮城県警に事故を報告した。里見院長は「原因究明と再発防止に努めたい」としている。【青木純】
毎日新聞 2005年9月14日 21時03分 (最終更新時間 9月15日 1時44分)