三井住友銀行は30日、女性行員だけで金融商品・サービスの開発から販売方法、広告までを一貫して手がける「Next W・ing プロジェクト室」を10月3日付で新設する方針を明らかにした。独身時代から結婚、出産、子育てと変化する女性顧客の人生設計のニーズにきめ細かに対応した投資商品やローンを開発。売り込み方にも女性の視点を生かし、女性顧客の拡大を狙う。
女性だけの専門チームで新規事業や商品開発、マーケティングなどに本格的に取り組む試みは、数年前から電機メーカーなどが開始。松下電器産業が01年に作った「女性躍進本部」では、乾燥機能を使って黒カビ付着を防ぐ全自動洗濯機など女性社員の知恵や発想から生まれたヒット家電が誕生している。三井住友銀はこうした成功例も参考に、大手銀行グループでは初の女性専門チームを新設することにした。
同プロジェクト室は支店長級のベテラン女性行員をリーダーに計4人で構成。女性顧客を対象にしたセミナーや意識調査でニーズをくみ上げ、新商品・サービスを打ち出す考え。具体的には、カードや旅行会社、小売り大手と連携して、利用に応じて優遇ポイントが付く女性向け口座や非正規雇用の女性でも手軽に借りられる独身女性専用の住宅ローンなどの提供を検討している。
三井住友銀は「激化する個人顧客の獲得競争で勝ち残るには、流行に敏感で多様な女性顧客のニーズを反映した商品・サービスが不可欠」(幹部)と、同プロジェクト室の活躍に期待している。【竹川正記】