演歌歌謡曲の範囲を超えて活動するキム・ヨンジャが、性格の違う二つの大コンサートを連続して行う。新曲「南十字星」(クラウン)も新境地を開く作品。ヨンジャには「挑戦の秋」となっているようだ。
公演の一つは、18日行う東京NHKホールでのリサイタル。演歌系歌手では数少ない同ホール10回目の開催を記念し、自身の持ち歌を中心にしたヒットパレードにする。
もう一つは10月5日の東京サントリーホールでのオーケストラ公演。原則的にクラシック演奏会場であるが、ヨンジャは1992年2月、山本直純指揮・新星日本交響楽団をバックにリサイタルを開いた経験があり、13年ぶりの登場。今回は時任康文指揮・東京交響楽団。タイトルは「世界を駆ける」で、世界各国の名曲をヨンジャ流に料理して歌う。
新曲「南十字星」は、「ボーイズ・ビー」などで人気の漫画家、イタバシマサヒロが作詞、岩崎宏美や山口百恵らに作品提供をしたポップス畑の川口真が作曲という話題作。メロディアスで静かに思いを込める歌唱は新境地を見せている。【川崎浩】
毎日新聞 2005年9月15日 東京夕刊