ハリケーン「カトリーナ」の直撃を受けたニューオーリンズでは、19日、住民の帰宅が一部で許可されました。しかし、新たな熱帯低気圧が近づいているとして、数時間後には再び避難命令が出され、混乱が起きています。
ニューオーリンズの検問所の手前には、車の長い列ができています。家路を急ぐ被災者たちの車の列です。19日、帰宅が許可されたのは、ニューオーリンズ中心部からミシシッピ川の対岸にあるアルジェズ地区の住民5万人です。
浸水もなく比較的被害が軽かったとして帰宅が許可された住人達は、3週間ぶりの我が家に足を踏み入れました。
「今夜はお風呂に入れない。蚊がわいている。バスタブの消毒から始めなきゃ」(帰宅住民)
しかし、喜んだのもつかの間、新たな熱帯低気圧が接近しており、再び洪水が起きる恐れがあるとして、ブッシュ大統領が帰宅許可に警告を出したのです。
これを受けて、ニューオーリンズ市のネーギン市長は、家に戻ったばかりの住民に再び避難するよう求めました。
「この地区には5万人以上もいるんだ。どこに行けばいいんだ。どうすればいいんだ。空いてるホテルや宿なんてない。高速道路に座ってろとでも言うのか」「状況を見てみるよ。それから避難するか判断するよ」(住民は)
二度とハリケーンで失敗をしたくない連邦政府と、復興を急ぎたいニューオーリンズ市。両者の狭間で住民だけが取り残されています。