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竹橋シネコン:『殴者』須永秀明監督に聞く

作者:未知  来源:每日新闻   更新:2005-9-21 6:20:00  点击:  切换到繁體中文

◇愛、アクション、時代劇さまざまものがつまった映画

 「けものがれ、俺らの猿と」で衝撃のデビューを飾った須永秀明監督の第2作「殴者」(なぐりもの)が23日からテアトル新宿、池袋他全国順次公開される。数多くのミュージック・クリップを手がけた須永監督ならではのスタイリッシュな映像に、玉木宏、水川あさみら若手俳優のフレッシュな演技、さらに桜庭和志、シウバらPRIDEのスターによる迫力あふれる格闘シーンなど、これまでの日本映画にない斬新な作品に仕上がった。

 舞台は明治時代。ヤクザの愛次郎(陣内孝則)はイギリスから密輸された薬の販売権をめぐり、新興ヤクザと全面抗争寸前となっていた。愛次郎の影とよばれる暗雷(玉木宏)は、互いの組織が3人ずつの格闘家「殴者」を出し、地下リングでどちらかが倒れるまで戦う「殴合」で、薬の販売権を決めようと提案する。暗雷は愛次郎の腹心の部下だったが、子供のころ父親を愛次郎に殺され、同じような境遇の遊女、月音(水川あさみ)とともに愛次郎に育てられた過去を持つ。さらに、愛次郎が月音をイギリス人商人に差し出して、試合を有利にしようとたくらんだことで、3人の愛憎劇の火ぶたが切って落とされた。裏切り、また裏切りの陰謀が続く中、3人の運命は…。公開を前に須永監督に手ごたえを聞いた。【柴沼 均】

‐‐時代劇初挑戦だが、意識したことは?

須永 あまり時代劇というのを意識せず、考証される方からは怒られるかもしれないが(笑)、それよりも映画としての勢いを重視した。僕にオファーがあった時点では、「PRIDEの選手が出て、リアルに近い時代劇」と言われ、「なんてめちゃくちゃな」と思ったけど、そこがいいなと思って引き受けた。

‐‐前作の「けものがれ…」が抽象的なストーリーだが、今回はストーリーが引っ張っていく話。前作との違いは意識したのか。

須永 前作は好き勝手やらせていただいたので、今回は皆さんに分かりやすく(笑)ストーリー的部分がしっかりした話をやってみたかった。

‐‐愛、アクション、時代劇とさまざまな要素がつまった映画になった。

須永 そういうのがいっぱい詰まっているのを楽しんでもらいたいですね。恋愛映画としても見れるし、PRIDEを見たことが無い人はこれを機会に関心を持ってもらうとか。

‐‐玉木さんと水川さんにはどのような演技指導をしたのか。 

須永 玉木君の甘さより男らしい部分や目の力強さなど表情で見せる部分をお願いした。セリフが少ない分、表情で見せなければいけないので、「自分の中で何か表情の課題みたいなものを持ってください」と伝え、玉木君も考えてくれました。

 水川さんもセリフがない分存在感に頼る部分が多かったので、水川さんは透明感やクールさを持ち合わせている人なので全面に出してもらいました。

‐‐陣内さんは2人のセリフがない分、ものすごい勢いのある役だったが。

須永 僕らがテレビで知っている陣内さんではない、狂気のような部分を出してほしいとお願いしました。陣内さんはその分を出したくて、この映画に参加していただいたと思います。

 陣内さんや、ベテランの(敵対ヤクザ役の)篠井英介さんらベテランの方には僕が演出しきれない稚拙な部分をザックばらんに提案してもらい、自分の中で整理して、それが勉強になりました。ここで勉強するのもなんですが、(笑)、助かったところがあります。例えば最初に敵対ヤクザが陣内さんのところに乗り込んでいくシーンも、最初は淡々とやろうと思ったが、それだとお芝居が成立しないよねとなって、陣内さんと篠井さんが提案してくれ、テンションあげる形で撮りました。

‐‐暗雷、月音、愛次郎の3人は愛憎半ばする関係だと思うが、監督はこの3人の関係をどうイメージしたのか。

須永 暗雷の心の中には月音がおり、愛次郎は2人の育ての親。3人ともお互いのことを愛していると思っていたが、3人の強い気持ちが微妙に食い違っていく。その“ずれ”が運命を変えていく。ストーリーが入れ子構造(ストーリーが現在から過去に飛んで、再び現在に戻るの繰り返し)で撮るのも大変だったし、編集も大変でした。

‐‐殴者の格闘シーンはすごかった。

須永 戦いに関してお任せの部分が多かったが、やりだすと半本気といえ、だんだんテンション高くなり、試合までいかなくてもスパーリングを見せてもらったと、ラウンドが終わるごとにスタッフや役者からオー、と声があがるほどでした。

 PRIDEは見たことがなかったですが、ドン・フライと高山(善廣)さんは伝説の試合をしたと聞いたので、もう一度再現したいとお願いしました。「やらないだろうな」(笑)と思っていて、最初は高山さんも乗り気ではなかったのが、いざやりはりじめると、本気でしたね。カットもかけずらいほどで、時間がなくなったとして終わらせてしまいました。(笑)。流血とかはさほど無かったんですが、見ているだけですごくて、「これ芝居なのに本気かよ」とかえって笑ってしまう自分がいました。

--今後はどんな映画を撮りたいか。

須永 コメディが好きなので、そっちをやりたいです。「けものがれ」ほど抽象的でなく、「殴者」と中間を行くような。どんなコメディだとなりますが(笑)。

公式サイト
http://www.nagurimono.com/

 2005年9月21日


 

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