集英社は5日、同社発行の文芸誌「すばる」8月号(7月6日発売)に掲載した篠原一さんの短編小説「19℃のロリータ」の一部の記述が、漫画家・楠本まきさんの漫画「致死量ドーリス」(祥伝社)の内容と酷似していると指摘されていた問題で、「看過できる程度でなく類似」していたとして、6日発売の同誌11月号に謝罪文を掲載すると発表した。
「19℃のロリータ」は、学生の「僕」が主人公の一人称小説。若い女性の「きみ」にひかれるが、人生に意義を見出せないと女性は死を急いでしまう。「致死量ドーリス」も「僕」と若い女性の「君」の物語で、女性が死へ向かうストーリーや女性の行動が酷似しているなどと読者らから指摘があった。
編集部は、篠原さんらと数回にわって話し合いったといい、「著作権上の問題があるとの認識に至りました。多大なご迷惑をおかけしました」と謝罪している。【渡辺圭】