21日午後1時5分ごろ、金沢市窪3で建設工事中の4車線の道路に、小型飛行機が不時着した。操縦していた英国籍のモーリス・ジョンさん(60)が、手や足に軽いけがをして市内の病院に運ばれた。不時着の際、工事車両3台に次々衝突し、トラックの荷台が壊れたり、軽自動車のガラスが割れたが、住民や工事関係者にけがはなかった。
石川県警金沢中署などの調べによると、小型飛行機は同市上空を北から南へ飛行。付近で右旋回しながらUターンし、工事中の道路に北向きに不時着した。この際、工事のため駐車していた4トントラック、軽自動車など計3台に衝突。南を向く形で止まった。小型飛行機は胴体や主翼、尾翼などが壊れた。県警が不時着の原因を調べている。
国交省新潟航空事務所によると、小型飛行機は19日に韓国から北海道を経て新潟空港に到着。21日午前10時44分に新潟を飛び立ち、広島空港へ向かう予定だった。
ジョンさんは「小型飛行機は手作りした自家用機で、世界一周の途中」と話しているという。
現場は金沢市南部の住宅街。道路は来春の完成を目指して石川県や金沢市が建設中で、当時約30人が作業中だった。
近くに住む男性(88)は「音もなく、エンジンは止まっているようだった。操縦していた男性は自分で両手に荷物を持って降りてきた。住民にけが人がなくてよかった」と話した。作業員の男性(61)は「どかんという音で気付いた。最初は作業車両が倒れたのかと思った。操縦していた男性は、自分のカメラを出して周囲を撮影していた」と話していた。【池内敬芳、花牟礼紀仁、八田浩輔、大久保陽一】