内閣府は6日、学校制度に関して保護者を対象に実施したアンケートの結果を発表した。現在の学校教育に「不満」と回答した保護者は43%に上り、「満足」が13%にとどまったほか、文部科学省が取り組む「ゆとり教育」に対し6割以上が「見直すべきだ」と答えるなど、政府の文部政策に対し厳しい結果となった。
調査は9月、内閣府規制改革・民間開放推進室が教育改革に保護者の意見を反映させようと、野村総合研究所のモニター登録のうち、全国の小中高校生の保護者3620人を対象にインターネットで実施。1270人から回答を得た。
調査結果によると、学校教育の満足度は「非常に不満」と「不満」を合わせて43%。子どもが習う教員への満足度については、「満足」(27%)と「不満」(28%)がきっ抗。「不満」と回答した人の理由(複数回答可)は、「指導力不足」70%▽「学習以外での対応力不足」52%▽「責任感の欠如」49%--の順だった。
また、「どちらが学力向上に優れているか」の質問には、「学習塾・予備校」と回答した保護者が70%だったのに対し、「学校」はわずか4%。ゆとり教育については「見直すべきだ」が62%で、「継続すべきだ」は5%にとどまった。
ただ、調査方法がインターネット上だったことから、文科省教育課程企画室は「母集団に偏りがあり、手法に疑問がある」と疑問を呈したうえで、「文科省のアンケートでは、学校への満足度が70%に上っており、今回の内閣府の調査の結果については中身を十分に精査したい」と話している。
【坂口裕彦】
▽加藤幸次・上智大名誉教授(学校教育学)の話 「ゆとり教育」は本来、「ゆとりと充実」を目指していたが、いつのまにか授業時間や学習量が減ることばかりが注目され、親からの信頼を失った。学校は子どもによく分かる授業、楽しい授業を構築することで信頼を勝ち取るしかない。