慶応義塾大湘南藤沢キャンパス(SFC、神奈川県藤沢市)の学園祭「秋祭」実行委員会が、開催日の15、16両日に会場で発生する温室効果ガスの“排出量取引”を実施する。実行委は「学園祭では例のない試みで、地球温暖化に対する学生の意識向上にもつなげたい」と話している。
実行委は、昨年の学園祭で模擬店などが使用した電力量やキャンパスと最寄り駅を結ぶバスの増発分の燃料使用量から、今年の温室効果ガスの排出量を9トン(二酸化炭素換算)と試算した。
温室効果ガスの排出量取引を仲介する「ナットソース・ジャパン」が所有する排出枠のうち9トン分を寄付し、学園祭による排出を帳消しにする。
同社によると、9トン分の排出枠の市場価格は6000~1万円程度で、「今回は量も少なく、企業相手ではないので、売買の対象にはしなかった」としている。
実行委は、終了後に正確な排出量を公開する。同大1年で実行委運営局エコ担当の奥村泰弘さん(19)は「今回の取り組みを紹介することで、普段の大学生活でも、省エネなどへの関心を高めたい」と言う。【大場あい】