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花粉症:遺伝子組み換えの米を食べて緩和 農業生物資源研究所など開発

◇分泌量85%カット、くしゃみの回数1/3

 農業生物資源研究所(茨城県つくば市)などの研究グループは、スギ花粉のたんぱく質を作るよう遺伝子組み換え操作をした米をマウスに食べさせたところ、花粉症のアレルギー症状を緩和できたと10月31日付の米国科学アカデミー紀要に発表した。引き続き、人間への応用に向けて治療効果や安全性の研究を進めるとしている。【和泉清充】

 花粉症は、体内の免疫システムが花粉を異物と認識し、くしゃみなどで排出しようとするために起きる。花粉の小型たんぱく質を日常的に食べることで体が慣れ、アレルギー反応が弱まる。

 同研究所遺伝子操作チームの高岩文雄チーム長らは、花粉症の症状を起こす約20匹のマウスを使って実験。開発した「スギ花粉症緩和米」と、普通の米を投与する2グループに分け、1日10粒を1カ月与えて両グループの差を調べた。

 緩和米を投与したグループは、アレルギー反応を起こすたんぱく質の分泌量が普通米グループに比べて約85%も減少した。スギ花粉を吸わせて出るくしゃみの回数も、普通米グループの約3分の1になった。

 高岩チーム長は「注射などによる療法とは異なり、食べるだけで効果がある。早期に実用化を進めたい」と話している。

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