ケイさんは講演で、「科学には検証が必要で、科学を知識として教えたり、暗記させたりするだけでは、科学を教えたことにはならない」と指摘、米国での実践例を紹介しながら、「米国の7割の学生が『加速度』を理解していないといわれるが、スクイークを使えば『Car’s speed increase by 2』という簡単な命令文で、画面上で車を2ポイントずつ加速させることができる。一方で、実際に砲丸を落として落ち方をビデオ撮影し、コマで区切った画像を並べることもできる。その2つを見比べれば、そこに同じ法則があることが分かる。スクイークを使えば、子供が自分で、自然現象を数学的に検証できる。9割の子供が加速の考え方を理解できる」と話した。
ケイさんは「学習は、子供が心から楽しんで何時間でも夢中になれるものでなければいけない。子供が『何でもできる』と思える環境作りが必要で、サイエンスキッズのプロジェクトで、それが実現できるだろう」と述べた。
◇ワークショップと実践報告
三重大学の下村勉教授、京都市立堀川高校の藤岡健史教諭らが、スクイークの実践について報告した。堀川高校は文部科学省のスーパー・サイエンス・ハイスクールの指定校で、京都大と京都市立の小中高が連携して行っている「アラン・ケイ・プロジェクト」に参加している。堀川高校では、スクイークを使って生徒1人1人がシミュレーションを制作しており、昨年度は「体型変化シミュレーション」、今年度は「音の反射」などを制作した生徒がいるという。
ワークショップでは、小学生20人が果物と金属板を使って電池をつくり、電圧に反応するセンサーを通してスクイーク上で車を動かした。果物の組み合わせによって電圧が変わるため、子供たちは2人組になって数種類の果物を試しながら、一番良いと思ったものを選んで使っていた。さらに、スクイーク上に描かれたコースに沿って車を動かすためのプログラムを組み、ゴールまでの速さを競った。
ワークショップを見学したデジタルハリウッド大の杉山学長は「スクイークは小学生なら簡単に、大学生が使えばかなり複雑なこともできる。これからの子供にとって、コンピューターがブラックボックスではいけない。自分でプログラムを書いて動かしてみて、プログラミングの概念を知ることが必要だ」と話した。
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コンテストは小学校3年生から中学生が対象で、スクイークで作成した科学をテーマにした作品を募る。募集期間は今年12月から来秋までの予定で、来年11月の1次審査で選ばれる20人は、科学やアートの第一人者のスーパーワークショップを受講できる。さらに12月の最終審査会で選ばれる5人は、米国にある世界最先端の研究所を訪問し、科学者と交流する。また、全国で年間50回以上のワークショップを行い、子供のスクイーク利用者を2000人に増やしたいとしている。コンテストの選考、ワークショップの講師として、坂村健・東京大学教授、元楽天副社長の本城慎之介・横浜市立東山田中学校長など、教員や研究者ら20人が協力する。