皇室典範の改正論議をめぐり、寛仁親王殿下がエッセーの中で女性・女系天皇容認に疑問を投げかけたことについて、宮内庁の羽毛田信吾長官は10日の定例会見で「皇室全体の意見であるように誤解を生みはしないか心配している」と懸念を表明した。
羽毛田長官はエッセーについて「身内に向けた私的な見解と受け止めている」との認識を示した。そのうえで「皇室典範改正の問題は内閣や国会の責任において対応する事柄で天皇陛下はじめ皇族は発言を控えられてきた」と指摘。さらに「宮内庁としては寛仁親王殿下に限らず皇族方に発言をお控えいただくようにこれまでお伝えしてきた」などと語った。また「エッセーが多くのマスコミで報道されることで結果として(エッセーが)政治的意味合いを持つことになりはしないか」とも述べた。