歌手で俳優のピーター(53)が、来年1月公開の「晴れたらポップなボクの生活」(監督白岩久弥)で、デビュー作の「薔薇の葬列」以来、36年ぶりに映画主演。なんと、ホームレスという異色の役どころに挑戦した。
浅黒い肌に、のばし放題の頭髪、よれよれの衣類といういでたちで、「(エンドロールの)テロップが出るまで、私って分からないんじゃない?」。華麗なる!?変身を遂げ、してやったりの表情だ。
「晴れたら…」は、漫画家の故青木雄二さんの短編「淀川河川敷」が原案。元やくざが15年間のホームレス生活を経て、自らの過去と向き合う“旅”に出るロードムービーだ。
黒澤明監督の「乱」(85年)で、「ピーターのイメージはいらない」と言われたことで吹っ切れ、以降、俳優としては本名の「池畑慎之介」で活躍。88年の映画出演を最後に活動の中心を舞台に移していたが、「私がやる面白さがある。“らしい役”が一番つまらないから」と快諾した。
ダブル主演のお笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎(28)との組み合わせも絶妙。「違う人物になっていく自分はけっこう好き。これからも何事にも縛られないで、裏切り続けていきたい」とさらなる意欲を見せた。