Jリーグの試合などを対象としたスポーツ振興くじ(サッカーくじ、愛称toto)を運営する日本スポーツ振興センターは15日までに、06年シーズンからtotoの3等を廃止する方針を固めた。当選払戻金の配分比率を1等に傾斜させ、1等賞金の高額化を図る。販売不振の打開が狙いだ。
これまでは売上金の原則50%が当選払戻金にあてられ、このうち1等(13試合的中)50%、2等(1試合外れ)20%、3等(2試合外れ)30%だった。
04年から05年7月中旬までのデータで試算すると、1等に80%を配分した場合、1億円以上の当たりくじは4回から10回に増え、1度もなかった2億円は3回出る。1等賞金平均も4100万円から6600万円の1・6倍増になる見込みだ。
今シーズンの売り上げと来年度のスポーツ振興助成はともに過去最低になる見通しで、同センターは「高額賞金」で販売促進し、助成金アップに結び付けたい考えだ。【高山純二】
◇助成金が過去最低に 2億円割り込む可能性も
スポーツ振興くじ(サッカーくじ、愛称toto)の来年度のスポーツ振興助成金が過去最低になることが15日、分かった。売り上げも過去最低を更新するのは確実で、totoを運営する日本スポーツ振興センターは来シーズンからtotoの3等を廃止する方針を固めるなど、てこ入れに必死だ。
同センターはtotoの3等を廃止し、当選払戻金の配分比率を見直す方針。1等に傾斜配分し、高額賞金を狙えるくじにする。賞金は低いが当選確率が高いtoto5などとの差別化を図り、多様なニーズに応えるのが狙いだ。
今季のtotoは、これまでに約142億円を売り上げ、今後の天皇杯での売り上げを加えても過去最低だった04年シーズン(約156億円)を下回る見込み。このため来年度の助成金は売り上げからのねん出が「全然できない」(同センター)という状況だ。
同センターは今年度同様に当選金を受け取りに来ない「時効金」や助成事業の中止などによる「執行残」で来年度の助成金をねん出する方針。しかし、時効金なども下回る見通しのため、来年度の助成金は過去最低だった今年度(約2億5000万円)を下回り、2億円を割り込む可能性もある。
今季は当選確率を高めたtotoGOAL3、toto5など新くじを導入し、インターネット販売も始めたが、販売不振の抜本的な改善には至らず、本来の目的であるスポーツ振興助成金が先細る状況になっている。【高山純二】