“民放の視聴率男”みのもんた(61)が、大みそかのNHK「第56回紅白歌合戦」の司会を務めることが17日同局から発表された。今年は「総合」「紅組」「白組」という司会の“分業制”は廃止。内定している女優の仲間由紀恵(26)を含む数人で「司会グループ」を構成する。みののNHK総合出演は初。視聴率が低迷する紅白の復権に向け、なりふり構わぬキャスティングに出た格好だ。
民放で朝と昼の帯番組のかけもちという前代未聞のフル回転を見せているみの。今年はさらに、大みそかのぎりぎりまで働くことが決定した。
会見で「1年のしめくくりといえる紅白の話を聞いたときは“来たな”と思った。来るときには来るもんだ。焦らなくて良かった。あこがれだった津々浦々に声が届くNHK。しかも大みそかですよ」と大喜び。
初の総合テレビ登場が紅白歌合戦という大役に「NHKが大事な時期?1つの転換期だから、僕が一番いいんじゃないの」「受信料は自動引き落としにしています」「ギャラ?マネジャーに聞いたら松井(秀喜)より、ちょっと低いぐらいだった」と“絶口調”。受信料のくだりでは、NHKスタッフから拍手が起きるなど、まさに独壇場となった。
NHKの茂手木秀樹芸能制作センター部長は「戦後60周年の節目に、歌に対する気持ちをきちんと受け止め、プレゼンテーションする能力、年代的にもキャリア的にもふさわしい」と起用理由を説明した。
しかし、これまでは司会も出場歌手も「NHKに貢献した人」が選考基準の1つになっていた。みのは、99年に衛星第2の特番で司会を務めただけ。民放の多数のレギュラーを抱える司会者への依頼は異例中の異例だ。
かつての国民的番組も昨年は平均視聴率40%を切り、NHKを揺るがした一連の不祥事の舞台にもなった。「新生プラン」を掲げ再生に向かう同局にとって、これまでにできなかった人選を決行。新たなNHKを見せるとともに、なりふり構わぬ危機感も印象付けた。
茂手木部長は「NHKは開かれた存在と思っている。民放、NHKと言わず優れた存在があれば、才能を発揮してもらうのはいいこと」と話した。
スポーツニッポン 2005年11月18日