来年1月10日に広島県因島市が同県尾道市に編入合併されるのを前に、因島市出身の2人組ユニット「ポルノグラフィティ」が22日、因島市の市民会館大ホールで、市内在住の小中高校生を対象に無料コンサートを開いた。今回が初めての凱旋ライブ。「市の名前はなくなるけど、生まれ育ったことを誇りに思ってほしい」と熱く訴えた。
会場前方を占めた中学生が総立ちになる。続いて小学生も。「因島!元気か?」。割れんばかりの拍手が起こった。
招待されたのは、市内在住の小中高生約900人。緊張気味の生徒たちを、ボーカルの岡野昭仁(31)が「そこ盛り上がってるね~」「そこ負けんなよ~」とあおる。次第に熱くなる声援を受け、ヒット曲「アポロ」「ジョバイロ」など全12曲を披露した。
岡野の母校である因北小・中学校、ギター新藤晴一(31)の母校、土生(はぶ)小・中学校の生徒も招待。岡野は「都会にはいろいろあるけど、因島にはきれいな海、山、空気がある。市の名前はなくなるけど、因島市で生まれ育ったことは将来、前に進む大きな力になる」と訴えた。23日もライブを開く。
これまで地元でのライブは、スケジュール調整がうまくいかず、実現できなかった。そんな中、8月に地元の友人から、合併の知らせを聞き、急きょ開催を決めた。
因島市は1953年に誕生。2人とも生まれた時から高校卒業まで同市で育った。最盛時で人口4万3169人(61年4月)だったが、2万7530人(11月1日現在)までに減少。政府が市町村再編を推進する中、過疎化の流れを止められず尾道市への編入合併が決定。来年1月10日に市の名前を失う。
岡野はライブ終了後「受け入れてもらえるか不安だった。でも、みんなが楽しもうとしてくれる姿にすごく感激した」と感想を語った。
◆ポルノグラフィティ 岡野昭仁は1974年(昭49)10月15日生まれ。新藤晴一は1974年(昭49)9月20日生まれ。99年9月、「アポロ」でメジャーデビュー。00年にNHK「紅白歌合戦」に初出場。04年6月にベースのTamaが脱退し、現在の2人組に。
スポーツニッポン 2005年11月23日