12・5にも「オリックス・清原」誕生へ--。巨人を退団する清原和博内野手(38)とオリックスとの2度目の交渉が、早ければ5日にも行われることが30日、分かった。清原はこの日が提出期限だった巨人の保留選手名簿から外れ、2日に正式に自由契約選手として公示される。オリックス側はその手続きを待って交渉、入団が決定する運びだ。
オリックス・小泉球団社長は今後の交渉日程について「今週はないでしょう。来週か再来週になるかも」と明言した。1度は11月24日で調整しながら実現しなかった2度目の交渉だが、球団内では「できれば早い方がいい」との声が支配的。そこで早ければ週明けの5日にも清原側と交渉、そのまま一気に移籍が決定する可能性が高くなった。
清原は親しい関係者に対し「引退するということはない。残るは1つだけ。もう(オリックス入団は)決まっている」と話している。8月29日に巨人から来季の戦力構想外であることを通告されてから3カ月近く。悩みに悩みながら、プロ21年目となる来季の移籍先を必死に模索してきた。
阪神、さらに在京希望もあってヤクルトにも売り込みをかけたが、最終的に両球団とも消極的なまま。古巣の西武も獲得の動きが本格化することはなかった。11月中旬までは楽天とオリックスが選択肢として残っていたが、楽天は現場の野村監督の意向もあって撤退。結局、最も早い段階からラブコールを送り続けていたオリックスの熱意が実る形となった。清原の今季年俸は3億6000万円だったが、本人は大幅ダウンも了承しており、1億円に満たない額となりそうだ。
清原はこの日が提出期限だった巨人の保留者名簿から外れた。これにより、2日に自由契約選手として公示され、文字通りフリーな立場となる。その手続きを待って、オリックス側は週明けの5日にも正式に条件を提示する。清原の意思も固まっているだけに、そのまま「オリックス・清原」が誕生するのは確実。10日にはスカイマークスタジアムで巨人・桑田、横浜・佐々木ら、同期生が参加する「42年会」が開催され、そこが新天地を選んだ清原の本拠地初登場の舞台となる。
清原はオフの現在も激しいトレーニングを続け、体はシーズン同様に絞られた状態をキープしているという。97年に西武からFAで巨人に移籍。その後も「生涯巨人」を誓ってプレーを続けたが、子供の頃から持ち続けていた夢は9年間で幕を閉じた。来季からは生まれ故郷の関西、神戸と大阪ドームを本拠地に持つオリックスで、新たな夢の続きを追う。
≪ローズも自由契約≫巨人は30日までにセ・リーグに提出した保留者名簿から、清原和博内野手(38)、タフィ・ローズ外野手(37)を外した。これにより両選手は、2日にセ・リーグから自由契約選手として公示される。巨人は若手選手への世代交代を進める中で、清原、ローズだけでなく元木、後藤孝らベテラン選手に戦力外を通告している。「チームはスリムになった」と表現する原監督は、チーム内の競争による全体の底上げを期待。秋季キャンプにも1軍選手を参加させるなど「実力絶対主義」の方針を打ち出している。
スポーツニッポン 2005年12月1日