モノ言う株主」として旧来の日本型経営への一石を投じてきた村上容疑者の逮捕を、経済界はどのように受け止めているのでしょうか。

　午後５時前に始まった東京地検特捜部による村上ファンド本社と村上容疑者の自宅への家宅捜索は、６時間以上経過した午後１１時現在もなお続いています。

　ライブドア事件に続き、再び巨額の金にまみれる経済事件の舞台となった六本木ヒルズ。勤務する投資関係者などによりますと、ＩＴ関連の若手経営者の間では、日ごろからパーティーの席などで「あの会社の株をゆずって欲しい」とか「この株を引き取ってもらえないか」などといった会話が、ごく軽い雰囲気で交わされていたということです。

　「時代のちょう児のように扱われていた方々が、証取法に対し強い自覚なしに行動したということは、反省されるべき」（与謝野 馨 金融・経済財政相）

　「プロ中のプロ」を自認し、強気の投資姿勢で名を馳せた村上容疑者が逮捕されたことには、政界からも厳しい声があがりました。

　一方、村上容疑者が記者会見で「公正であってほしい」と表現した株式市場は、今回の事態を比較的冷静に受け止めています。

　「よくないね。全然よくない。真面目な人がちゃんと報われるような世の中にならないと」
　「ちょっとズレてきているような気はしていました」（街の人）

　５日の日経平均株価は１２１円の値下がりとなりましたが、村上ファンドが大株主となっている松坂屋やサークルＫサンクスなど、いわゆる「村上銘柄」も値上がりするなど、１月のライブドアショックのような大きな混乱は見られませんでした。（05日23:15）