北海道美唄市の建設会社が生き残りをかけて、畑違いのそば店経営に乗り出した。道路舗装などを行っている「北有建設」=山口英男社長(39)=が、地元産のそばと自ら育てた「美唄地鶏」を提供する。山口社長は「美唄を代表するブランドにしたい」と意欲を燃やしている。
店名は、「美唄地鶏とお蕎麦(そば) こはれ」。5月末に開店した。
山口社長によると、同市の建設業は公共事業の減少から事業量が01年をピークに減り続けている。このような厳しい経営環境を打開しようと、同社は04年11月に厚生労働省の補助制度を活用し、異業種の養鶏業に挑戦。名古屋コーチンと採卵用のニワトリあわせて300羽の飼育を始めた。
さらに、昨年6月に秋田県の比内地鶏と国産のニワトリを掛け合わせ、独自の「美唄地鶏」をつくり、550羽を育ててきた。
飼育が順調に進んだことから、同社は、地元産のそばを留萌市の製粉業者に依頼して石臼びきし、地鶏と組み合わせて提供する店をつくることにした。目玉は、長ネギ入りの暖かいつゆで味わう「地鶏せいろ」(1350円)や鶏肉の刺身など。山口社長は「地元の食材を味わうことが出来る店。ぜひ味わって欲しい」とPRしている。【吉田競】
毎日新聞 2006年6月13日 13時38分