耐震データ偽造事件で、強度が基準の30%と診断された川崎市川崎区の分譲マンション「グランドステージ川崎大師」(23戸)の住民が27日、元1級建築士の姉歯秀次被告(49)や川崎市など5者を相手取り、建て替え費用など総額約7億5000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。一連の事件で住民による提訴は初めて。
ほかに訴えられたのは元請け設計業者「スペースワン建築研究所」(東京都港区、清算中)▽同研究所と雇用契約を結んでいる1級建築士▽施工業者「太平工業」(中央区)。
住民側は川崎市について、最高裁が昨年6月に「民間の指定確認検査機関が行った建築確認は、自治体が行ったものとみなす」との決定を出したことから、指定確認検査機関「イーホームズ」(新宿区、廃業)が強度不足を見逃した責任を追及できると判断した。
住民は訴訟とは別に、マンション販売会社のヒューザー(破産手続き中)の破産管財人にも損害分として債権を届け出る。【高倉友彰】
▽阿部孝夫川崎市長の話 訴状が届いていないのでコメントは控えさせていただく。市民の安全確保を図るため、支援の継続は必要と考えている。
毎日新聞 2006年6月27日 11時15分 (最終更新時間 6月27日 11時35分)