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経済サプリ:ガソリンの値上がりは続くの

作者:未知  来源:mainichi-msn.   更新:2006-6-12 14:31:57  点击:  切换到繁體中文

<Keizai Supli>

 原油価格の高騰を背景に、この1年間、ガソリンも大幅に値上がりしました。値上がりは、まだ続くのでしょうか? 地域やスタンドによって値段が違うのは、なぜなのでしょう。ガソリン価格についてまとめました。【須佐美玲子】

 ◇Q・ガソリンの値上がりは続くの

 ◇A・原油高騰の転嫁進まず、一段高の可能性も

 経済産業省所管の石油情報センターによると、ガソリンの店頭価格の全国平均は、5日現在、レギュラーで1リットル=136円(消費税込み)です。湾岸戦争中の91年1月28日以来の高値が5週続いています。この1年で12円も、値上がりしました。

 Q 値上がりの原因は?

 A ガソリンの原料となる原油が値上がりしたからです。原油価格の国際指標になっているWTI(米国産標準油種)をみると、1年前は1バレル(=約159リットル)当たり50ドル台前半でしたが、今では70ドルを超えています。約2年で倍近く上がり、なかなか下がらない、高止まり状態が続いています。

 Q 高止まりということは、ガソリンもこれ以上は上がらない?

 A そう単純にはいかない事情があります。石油会社は、中東を中心とする産油国から原油を買い、それを精製してガソリンや灯油などを作っています。原油が値上がりすると、その分を上乗せした値段でガソリンスタンドなどに製品を卸しています。

 例えば、最大手の新日本石油は、05年1月から今年6月までの間に、ガソリン1リットル当たりの卸値を合計で25・7円、上げましたが、この間のレギュラーガソリンの店頭価格は全国平均で19円しか上がっていません。よって、原油の値上がりが止まっても、この価格転嫁がもう少し進むまでは、店頭価格の上昇が続く可能性があります。

 Q なぜスタンドは仕入れ値の上昇分を上乗せできないの?

 A 店の数が多く競争が激しいため、「値上げすれば客を奪われる」と恐れて、上げられないのです。近接する他店見合いで価格を決めており、出店競争が厳しい群馬県では、1リットルが131・8円と、全国平均を大きく下回っています。一方で、運搬費用が高い離島を多数抱えた長崎県は144・9円と割高で、地域間格差は広がっています。

 Q 原油価格は2年で倍近く上がったというけど、ガソリンはそこまで上がってないよね?

 A ガソリンには複数の税金がかかっています。店頭価格が1リットル=130円だと、このうち約62円分が実は税金なのです。原油の輸入の際にかかる「石油石炭税」(2・04円)、製品段階でかかる「ガソリン税」(53・8円)、さらに小売り段階の消費税(6・2円)です。これら税金を除いた部分が、原油代(船賃と為替費用含む)、精製費用、国内の運搬費用、石油会社やスタンドの利益となります。ただスタンドの多くは仕入れ値上昇分の転嫁すらできておらず、石油会社も実際は、公表値ほどの卸値の値上げができていないようで、利益はほとんど得られていないのが現状です。

毎日新聞 2006年6月12日 東京朝刊


 

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