路上生活者の名義で住宅ローンを組み銀行から融資金をだまし取った事件で、神奈川県警捜査2課は23日、三重県鈴鹿市伊船町、元神奈川銀行行員、太田知宏容疑者(31)を詐欺容疑で逮捕した。「(他の容疑者から)毎晩のようにキャバレーなどで接待を受け、断れなかった」と容疑を認めている。
調べでは、太田容疑者は同行藤沢支店の融資係だった03年3月下旬、住所不定、カジノバー店長、井上裕喜(41)ら3容疑者=詐欺容疑で逮捕=と共謀。3容疑者が他人名義で神奈川県藤沢市の土地・建物を購入するための住宅ローンを申し込んだ際、偽造書類と知りながら約1000万円の水増し分を含む約4200万円を融資した疑い。
同課は井上容疑者らが02年9月~03年3月に計10件のローンを組み、7500万円の水増し分を含む約3億円を詐取したとみて追及する。太田容疑者は03年4月に懲戒解雇された。【野口由紀】
毎日新聞 2006年6月23日 23時02分