宮内庁は23日、皇太子ご一家が静養のため、8月にオランダを訪問・滞在すると発表した。オランダ女王の招待を受けたもので、皇太子妃雅子さまの治療を兼ねている。医師団も、異なった環境に身を置くことが治療に役立つと判断した。天皇や皇族が静養を目的に外国を訪問するのは初めてだ。
野村一成・東宮大夫が定例会見で明らかにした。外国訪問は、雅子さまにとって02年12月のニュージーランド、オーストラリア訪問以来、愛子さまにとっては初めてになる。
1年ほど前、ベアトリックス女王から外交ルートを通じて「ご静養のためオランダでお過ごしになっては」と招待があった。幼稚園に通う愛子さまの夏休みに合わせて訪問する。8月中旬から下旬にかけて2週間程度の滞在になるとみられる。訪問は私的なもので、今後日程などの詳細をオランダ側と詰める。
医師団は(1)静かな環境での静養、特にご一家でゆっくり時間を過ごすことが治療に有意義(2)オランダに出かけ異なった環境に身を置き、経験を広げることが治療に役立つ--と判断した、などとする見解を文書で出した。天皇、皇后両陛下も雅子さまの治療にプラスになることを願っているという。
オランダ・ハーグには、雅子さまの父親で、国際司法裁判所の判事を務める小和田恒氏が滞在している。03年12月から療養を続ける雅子さまは最近、展覧会鑑賞などに私的に出かけるようになったが、公務を完全にこなせる状態にはなっていない。【桐野耕一】
毎日新聞 2006年6月23日 19時57分 (最終更新時間 6月23日 20時02分)