東大阪市の私立大学「東大阪大」の男子学生（２１）ら２人が９人グループに暴行され、行方不明になっている事件で、大阪、岡山両府県警の合同捜査本部は２７日午前、暴行で中心的役割をした無職、小林竜司容疑者（２１）＝暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕＝の「２人を生き埋めにした」との供述に基づき、殺人容疑で岡山市灘崎町の廃棄物処理場の捜索を始めた。合同捜査本部は、遺体を発見し次第、指紋や歯の治療痕、ＤＮＡ型鑑定などで身元の確認を急ぐ。

　行方不明になっているのは同大学４年、男子学生（２１）＝東大阪市＝と、同大学の短期大学部卒業生の無職男性（２１）＝奈良県大和郡山市。岡山市在住で玉野市出身の小林容疑者は、仕事で出入りした廃棄物処理場に連れ込み、２人を生き埋めにしたとされる。一方、この日朝、１７歳と１６歳の少年２人が岡山南署に出頭、合同捜査本部が同容疑で逮捕した。同事件での逮捕者は７人となった。

　調べでは、小林容疑者は、同郷の同大学３年、佐藤勇樹容疑者（２１）＝東大阪市＝から「暴行され金を要求された。助けてほしい」と依頼を受けた。佐藤容疑者と友人のアルバイト、徳満優多容疑者（２１）＝大阪市平野区＝は女性を巡って同大の男子学生とトラブルになり、東大阪市内で暴行され５０万円要求された。このため仕返しを計画。暴行にかかわった男子学生▽大和郡山市の無職男性▽東大阪市在住の会社員（２１）－－の３人を１９日未明に岡山県に誘い出し、小林容疑者が地元で集めたメンバーを含め計９人で、ゴルフクラブで殴るなどの集団暴行をした。

　誘い出した３人うち、男子学生を岡山市の廃棄物処理場に生き埋めにし、無職男性は丸１日車で連れ回し、全身を粘着テープで縛って袋を頭からかぶせ、同じ処理場に埋めて殺害した疑いが持たれている。東大阪市内の会社員は女性を巡るトラブルの際の暴行に積極的に参加していなかったため、埋められずに解放された。

　小林容疑者は「最初から殺すつもりで廃棄物処理場に連れて行った」と供述している。【石川隆宣、隅俊之】

毎日新聞　2006年6月27日　11時13分　（最終更新時間　6月27日　11時23分）