北朝鮮向け輸出貿易会社に医師の処方せんが必要な注射液を不正に販売したとして、神奈川県警外事課は27日、東京都台東区の医薬品卸売会社「東央コーポレーション」と同社社長(42)を薬事法違反(処方せん医薬品の不正販売)の疑いで横浜地検に書類送検した。同社は昨年から不正販売で約3500万円を売り上げたとみて追及する。
調べでは、同社は昨年11月、総合アミノ酸注射液(200ミリリットル入り)計8100袋(約300万円相当)を、医師の処方せんを付けずに東京都千代田区内の貿易会社に売った疑い。注射液は貿易会社から北朝鮮の商社などに渡り、栄養剤として使用されたとみられる。
社長は朝鮮籍で、01年に同社に入社。同社は都内の病院や北朝鮮向け貿易会社計12社に医薬品を販売していたという。社長は「処方せんが必要とは知っていたが、輸出向けなのでいいと思っていた」と供述しているという。【伊藤直孝】
毎日新聞 2006年6月27日 11時18分