北海道開発局は将来的に規模縮小か、道と統合すべきだと考えている道内市町村長が過半数に上ることが毎日新聞のアンケートで分かった。道開発局を巡っては道州制特区論議で道との統合が取りざたされ、国の行政改革で1003人の削減が決まっている。発足から55年がたち、開発行政に対する要請が自治体の視線からも変わりつつあることを裏打ちした形だ。
アンケートは、開発局や道州制特区などについての考えを聞くために実施。180市町村のうち97.8%にあたる176の首長が回答した。
道開発局の役割について、「設置当初に比べ限定的になりつつある」、または「終わった」と答えたのは89自治体(50.6%)。「設置当初(1951年)と変わらない」としたのは80自治体(45.5%)だった。
道開発局と道の統合では、66自治体(37.5%)が「将来的に統合すべきだ」、30自治体(17%)は「(特例や農業分野の機能がない)『地方整備局』と同様の組織にすべきだ」と回答。「現状維持」と答えたのは74自治体(42%)だった。ただ、「すぐに統合すべきだ」とした自治体はなく、急激な組織縮小は公共事業削減を招き、道内経済に打撃を与えかねないとの懸念もうかがえる。
このほか、国の権限を道に移譲する枠組みを定める道州制特区推進法案については、97自治体(55.1%)が「多くが評価できず」「まったく評価できず」と回答した。
現在14ある支庁を6圏域に再編する道の支庁制度改革は「支持する」(76自治体、43.2%)と「支持しない」(80自治体、45.5%)がきっ抗した。【横田愛】
▽本多満・北海道開発局長の話 すぐに道と統合すべき」という意見はなく、これからも役割を維持してほしいという声が多かった。市町村には北海道開発局の役割が重要だと認識されていると受け止め、これからも基幹的なネットワークや災害対応など国民や道民の負託に応えていく。
◇北海道開発局 1951年発足。01年1月までは北海道開発庁、現在は国土交通省の出先機関で、道外で農林水産省地方農政局が担う公共事業も受け持つ。北海道開発は国策として行われ、複数省庁分の公共事業費を一括計上して執行する。公共事業の国庫補助率かさ上げなど、各種特例措置もとられている。
毎日新聞 2006年7月5日