現役引退を発表したサッカー日本代表・中田英寿(29)の友人で歌手の大黒摩季(36)が6日、都内でスポニチ本紙のインタビューに応じ「自分が決めた目標に向かい、逆算して動き始めることができる人。次の夢を見たい」とエールを送った。また、6年前に中田に贈った歌を初公開。今回の決断にも通じる「GO YOUR WAY(君の道を進んで)」の歌詞に込めた思いを語った。
中田と出会って10年以上。95年にベルマーレ平塚に入団した当時、マネジメント会社「サニーサイドアップ」の次原悦子社長を通じて知り合い、最初から「なんて頭の回転の速い人だろう」と思ったという。
今回の決断も「ヒデらしいな、と思った。とにかく賢くて、誰よりも凝縮した生き方をしている人。一番いい引き際の形なんだと思う」。
30歳を前にした決断だったことに、感じるものがある。「実は私も30歳の時に所属していた事務所を離れた。ヒデとは次元が違う話だけど“あと10年やっても40歳”というのがあった。気力も体力も充実してて、10年旅すれば、何かつかめると思える年齢。これが5年、10年遅れると難しい。そういう考えはヒデにもあったんじゃないかな」
サッカー選手というより、人間・中田英寿の大ファン。「自分が到達する目標を高く設定できる人。そして、そのできると決めた目標に向かって、逆算して動き始めることができる。百獣の王、ライオンと似ている。獲物を捕らえるポイントから逆算して、静かに近づいている感じです」
今回の引退を決断した時、次原社長の頭の中で響いてきた歌がある。00年1月、中田が名門ASローマに18億円で電撃移籍した直後、誕生日に贈った歌だ。同行していた大黒がローマのスタジオで製作。歌詞はスタッフ、友人からのメッセージを集めて作った。MDで本人にプレゼントしており、世の中には出していない。
「確かに、いまのヒデにぴったりの歌かも。でも、あくまであの時のスタッフや友人みんなのヒデに対する愛の結晶。そういう意味ではいまも変わらず響く歌なのかな。心の底から応援し続けていきたい」と話した。
スポーツニッポン 2006年7月7日