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◆NHKスペシャル「危機と闘う(1)あなたの預金が狙われる」(NHK=後9・0)
◇「自衛不能」の巧妙な手口
コンピューターを悪用した「サイバー犯罪」が拡大、深刻化している。知らない間に銀行の預金が他人によって下ろされる。ある日突然、買ってもいない商品の請求書が送られてくる。かつては“心配”な店ではクレジットカードを使わず、スキミングを防止するなどの自衛策もとれた。だが、紹介される例は、スパイウエアというソフトを使って暗証番号を盗まれるなど、自衛不能なものだ。
犯罪者は海外からも来る。ロシアにはコンピューターへの侵入技術を教える教室がある。いわば「泥棒技術を教える学校」だが、「被害に遭わないために必要な技術」とかわされる。米国では大量のクレジットカード情報を盗んでFBIに逮捕された男へのインタビューなど、多角的な取材で「先端技術の闇」を照らし出すのだが、怖い。(荻)
毎日新聞 2006年7月9日 東京朝刊