国の特別天然記念物・コウノトリの野生復帰に取り組んでいる兵庫県豊岡市の県立コウノトリの郷公園は14日朝、公園前の屋根なしケージで飼育されていた幼鳥2羽のうち、1羽の「巣立ち」を宣言した。行動追跡用の発信機を付けようと職員が近付いた際、ケージから飛び出した。約2時間後、近くのやぶの中で職員に捕獲されたが、同公園は「予想外だったが、見事に飛んでいた。野外飼育が順調に進んでいた証拠」と喜んでいる。
2羽は幼鳥の段階から野生復帰を目指す試験放鳥の一環で、今年5月18、19日に相次いでふ化。通常はふ化から60日で巣立ちを迎えるため、来週末にもケージから飛び立つと見て、この日に背中にアンテナ付きの発信機、足に個体識別用のリングの取り付けを計画。職員5人が朝、ケージ内に入り幼鳥をつかまえようとしたが、1羽がケージから一気に飛び出した。
もう1羽の幼鳥は逃げることなく、無事に取り付けを終了。逃げた幼鳥も捕獲後、ケージで発信機を付けられた。【山口朋辰】
毎日新聞 2006年7月14日 11時57分