厚生労働省は26日、05年度の概算医療費が前年度比3.1%増の32兆4000億円となり、過去最高を更新したと発表した。70歳以上の医療費は5.7%増の13兆5000億円で、全体の41.6%を占めた。
1人当たりの医療費は25万4000円。サラリーマンは12万9000円なのに対し、現役の拠出金で支える老人保健制度の対象者(73歳以上)は82万2000円で、6.4倍だった。
医療機関別では、大学病院が2.9%増えた半面、個人病院は4.6%減で、患者が大病院に集まる傾向が続いている。受診日数は0.3%減ったものの、1日当たり医療費は3.4%の増。
概算医療費は診療報酬明細書(レセプト)を集計したもので、日本中で1年間にかかった総医療費を示す国民医療費の97%程度。厚労省はこれに労災保険などの医療費を加え、1年後に国民医療費として公表している。【吉田啓志】
毎日新聞 2006年7月26日 12時06分