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自転車:薬物疑惑で権威失墜 ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランスは世界最高峰の自転車ロードレースとして知られるが、薬物疑惑でスキャンダルに発展している。初優勝したフロイド・ランディス(米国)がドーピング(薬物使用)違反の疑いという衝撃的な事実が所属チームから発表された。

 ロイター通信によると、大会中の検査で筋肉増強剤のテストステロンに陽性反応を示したランディスは28日にマドリードでの記者会見で疑惑を否定し、体質的にテストステロン値が高いと主張した。しかし伝統のレースで史上初めて、薬物疑惑で優勝がはく奪される可能性が出てきた。

 大会前にはドーピングにかかわった医師の記録が明らかになった。組織的な違反疑惑で、1997年覇者のヤン・ウルリヒ(ドイツ)やジロ・デ・イタリアを制したイバン・バッソ(イタリア)ら優勝候補が欠場する、波乱のスタートだった。

 同レースは88年にも大量の薬物違反者を出したが、疑惑の嵐は当時よりも深刻だ。国際自転車連盟のホームページで、マクウェイド会長はランディスの違反が確定した場合は「大きな失望で受け入れがたい」と話し、今後もドーピングに対して厳しい措置を取る意向を示した。(共同)

毎日新聞 2006年7月29日

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