【ジュネーブ澤田克己】国際サッカー連盟(FIFA)の規律委員会が20日、スイス・チューリヒの連盟本部で開かれ、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝(9日)でイタリアのマテラッツィに頭突きを見舞って退場処分となったフランスのジダンから事情を聴いた。マテラッツィからは既に14日に事情を聴取している。処分は20日中に下される予定だ。
ジダンは12日にフランスのテレビ番組で、母親や姉を侮辱する言葉を繰り返し受けたことが原因と話したが、人種差別発言があったかどうかについては明らかにしていない。マテラッツィは母親への侮辱は否定したものの、姉に関しては言葉を濁し、侮辱を事実上認めている。一方、人種や宗教に関する発言は否定している。
FIFAは人種差別に対して厳しい姿勢で臨んでおり、宗教や出自にかかわる差別的な発言があった場合は、5試合以上の出場停止処分となる見通し。ジダンはW杯を最後に現役を引退。FIFAのブラッター会長はジダンからW杯最優秀選手賞のはく奪を示唆しており、規律委の判断が注目されていた。
毎日新聞 2006年7月20日 20時33分