岩手県洋野(ひろの)町種市の会社員、上野紀子さん(52)と二女の会社員、友紀さん(25)が行方不明になり、自宅から血痕が見つかった事件で、岩手県警は24日、久慈署に捜査本部を設置した。同本部は被疑者不詳の殺人容疑で自宅などの現場検証を続けており、血痕の血液型の特定などを急いでいる。
これまでの調べでは、自宅1階和室には、約1.5メートル四方にわたって血痕と血をぬぐった跡があった。和室と台所の照明はついたままで、家の鍵はすべて施錠されていた。室内に荒らされた形跡はなかった。友紀さんが外出時に使う車は、いつもの場所とは違う自宅前に止めてあった。
同本部は、これらの状況に加え、同日までに母娘から親類など関係者にまったく連絡がなく、家出するような理由が見当たらないことから、犯罪性が極めて濃厚と判断した。
母娘は19日午後5時ごろ、それぞれの勤務先を出た後、足取りが途絶えた。【岸本桂司、念佛明奈】
毎日新聞 2006年7月24日 11時39分