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憂楽帳:高齢ペット

作者:亀山浩和  来源:mainichi-msn   更新:2006-7-26 15:01:21  点击:  切换到繁體中文

妻の実家に老いたオス猫がいる。年齢21歳。義父が亡くなった年に生まれた。以来、独り暮らしの義母(73)にとっては、かけがえのない最愛の「家族」である。そんな老猫に最近衰えが目立ち始め、一進一退の病状が続いている。

 犬猫の平均寿命は犬11.9歳、猫9.9歳というデータ(東京農工大、03年調べ)がある。猫は94年時と比べ3.2歳延び、高齢者が飼う高齢ペット時代を迎えた。実家の猫も人間で言えば100歳を超す。覚悟する時期ではある。

 愛するものを失った時に起きる喪失感「ペットロス」が心配だが、いまの義母は「その時」を忘れるほど忙しい。スポイトで水をやったり、猫用のおむつを日夜取り換えたりと「介護」の毎日だ。

 「ウオーウオー」。先日、今度こそダメかと思った義母は、鳴きやまない猫を抱きかかえながら、庭や道端の日だまりを見せて回った。それがよかったのか、少し元気を取り戻したという。義母の献身は最期をみとるまで惜しみなく続く。長年、心の支えになってくれた猫と少しでも一緒にいたいという思いからだ。【亀山浩和】

毎日新聞 2006年7月26日


 

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