衆院議員の鈴木宗男被告(58)=1審実刑、控訴中=と共謀したとしてあっせん収賄罪などに問われ、1、2審で有罪判決を受けた元政策秘書、多田淳被告(54)の弁護人は3日、上告しない方針を明らかにした。懲役2年、執行猶予4年が確定する。多田被告は公判で無罪を主張したが、弁護人に「今の裁判制度では上告しても勝ち目はない。新たな証拠が見つかれば再審請求する」と伝えた。判決で認定された鈴木議員との共謀が確定することについては「公判が分離されているので影響はないと思う」と話しているという。
一連の事件では12人が起訴され、鈴木議員と元外務省主任分析官、佐藤優被告(46)を除いて有罪確定となる。
先月20日の東京高裁判決によると、多田被告は鈴木議員と共謀、北海道開発局発注工事の受注に便宜を図るよう請託を受け、建設会社側から現金計600万円を受け取るなどした。【木戸哲】
毎日新聞 2006年8月3日