ライブドアは２９日、経営再建策の一環として、ゲームや動画編集など個人向けパソコン用ソフトの開発・販売事業から撤退する方針を明らかにした。担当しているコンテンツ事業部を９月末で廃止する。今後は、中小企業向けなどに販売が好調な会計ソフト「弥生」シリーズなど採算性の高い法人向けソフトの開発・販売に注力する。

　個人向けソフト開発・販売は堀江貴文前社長時代の０１年ごろから、海外からライセンス契約を受けるなどして参入。パソコンのワープロや動画編集ソフトなど約１００タイトルを独占販売し、年間１５億円程度の売上高があった。しかし、証券取引法違反事件に伴う上場廃止などを受け、資金調達の道が狭まり、再建には事業の選別が不可欠なことから、「業績の大きな貢献が望めない」として撤退を決めた。

　ライブドアは、インターネットのポータル（玄関）サイト、ブログ（日記風の簡易型ホームページ）などのメディア事業や、電子商取引事業など主力業務に経営資源を集中。タイでのネット広告事業から撤退し、マンション販売のダイナシティなど本業との相乗効果の薄い関連会社の売却などを進めている。【森有正】

毎日新聞　2006年8月30日