石油元売り最大手の新日本石油は30日、9月出荷分のガソリンや軽油など石油製品の卸売価格を、最低でも前月より1リットル0.2円値上げすると発表した。元売り各社は既にジャパンエナジーが0.8円、出光興産が0.5円など、小幅の値上げを発表しており、大幅値上げに踏み切った8月出荷分からさらに各社が値上げすることで、ガソリン価格の高止まりが続くことになりそうだ。
全国のガソリンスタンドでの小売価格は、8月に入ってから143円台の高値が続いており、石油情報センターが30日発表したガソリンスタンドの小売価格調査(28日現在、消費税込み)によると、レギュラーガソリンの全国平均は1リットル当たり143.9円。前週(8月21日)に比べて横ばいだが、調査を開始した87年以来の最高値水準が続いている。
イランの核開発疑惑など、中東情勢の先行き不透明感などを反映して、ニューヨークの原油先物市場で米国産標準油種(WTI)の価格は依然として1バーレル70ドル前後の状態が継続している。ドバイ産原油の価格も60ドル台後半で推移しており、原油の輸入価格の上昇傾向に歯止めはかかっていない。【斉藤信宏】
毎日新聞 2006年8月30日