飲酒運転による交通事故が相次いでいることを受け、警察庁は悪質運転対策の一環として、ひき逃げ事件の道路交通法の法定刑(懲役5年以下)を厳しくする方向で検討を始めた。沓掛哲男・国家公安委員長が12日の閣議後会見で明らかにした。沓掛委員長は「飲酒運転をなくす社会的な取り組みがまず大切だが、悪質運転者対策としてひき逃げ事件の厳罰化も検討したい」と話した。
同庁によると、ひき逃げ事件は、00年の発生件数は1万4050件だったが毎年増加傾向にあり、昨年は1万9660件起きた。このため8月に公表した来年度末までに実施すべき施策をまとめた治安再生「七つの重点」にもひき逃げ事件の厳罰化を検討課題として盛り込んでいた。【遠山和彦】
毎日新聞 2006年9月12日