麻生太郎外相は12日午前の記者会見で、安倍晋三官房長官が来夏の参院選の自民党公認候補を見直す考えを示したことについて「(選挙まで)1年切って差し替えるのは難しい。(安倍氏は)幹事長、幹事長代理の経験がおありだから、よく分かっていると思う。そんなに簡単な話ではない」と疑問を呈した。
一方、自民党の武部勤幹事長は同日午前の会見で「もう負けることが明確で、なおかつ候補者を差し替えないまま終始することはない。差し替えてでも全選挙区で当選を期す」と述べ、世論調査の結果が厳しければ都道府県連の意向を踏まえた公認候補差し替えもありうるとの認識を示し、党内で意見が割れている。
これに関連し、青木幹雄参院議員会長は同日の党役員連絡会で「今決まっている候補者は都道府県連が勝てる候補としてあげてきたもので、参院執行部は関与していない。(党内の)衆院と参院が対立しているような誤解がないよう気をつけてほしい」と、党内に波紋が広がらないようクギを刺した。
安倍氏は11日の公開討論会で、すでに選挙区40人、比例代表22人の計62人が決まっている参院選の党公認候補について「当然もう一度見直しをしなければいけない」と発言した。【中田卓二】
毎日新聞 2006年9月12日