(左から)麻生久美子さん、田中麗奈さん、中越典子さん
原爆で被爆した女性とその家族たちを描く映画「夕凪の街 桜の国」(佐々部清監督、07年8月公開予定)のクランクアップ記念会見が19日、東京都内であり、主演の田中麗奈さんらが映画の魅力を語った。
04年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞と第9回手塚治虫漫画賞を受賞したこうの史代さんのマンガ(双葉社)が原作。映画は、第二次世界大戦中に広島で被爆した女性、皆実を描く「夕凪の街」と、現代を舞台に皆実の子孫である七波らを描く「桜の国」の2編で構成した。映画はほぼ原作どおりのストーリーで、田中さんが七波を演じるほか、皆実役で麻生久美子さん、七波の友人・東子役に中越典子さん、七波の父の旭役に堺正章さんが出演する。
会見で田中さんは「撮影前に1人で広島を歩いて、この町の人々が原爆で死んでいったことを深く考えた。七波という登場人物は明るく前向きな人だけど、生きているということを大切にする気持ちで演じた」と撮影時の心境を語った。また佐々部監督は「原作のイメージにこだわり過ぎないように役者をキャスティングした。テーマも重くプレッシャーもあったが、唯一の被爆国である日本でしか作れない映画になったと思う」と話していた。
映画は07年2月ごろ完成予定で、5月のカンヌ映画祭に出品する予定。【渡辺圭】